自宅で手作り!コールドプロセス石けんvol.2

自宅で手作り!コールドプロセス石けんvol.2

手作り石鹼は非常に時間がかかるということを前回ご説明しました。

それでも実際に作ってみたい!という方に向けて、安全に良質な石鹸を作るために仕組みやポイントを説明していきたいと思います。

鹸化について

鹸化とは、油脂(脂肪)を水酸化ナトリウム苛性ソーダ)や水酸化カリウムなどの塩基を使ってグリセリンと高級脂肪酸塩(カルボン酸塩、石鹸)に加水分解する化学反応のこと。

簡単に言うと、石鹸ができる化学反応のことです。

1 g の油脂を鹸化するのに必要な水酸化カリウムや水酸化ナトリウムのミリグラム数を鹸化価(けんかか)と呼びます。

油脂とアルカリによって鹸化価は異なります。

具体例をあげますと、みんな大好きオリーブオイルを苛性ソーダで鹸化する場合の鹸化価は134です。1gのオリーブオイルを鹸化するのに必要な苛性ソーダは134ミリグラムということです。

鹼化率とは

鹸化率とは、油脂全体のうちで、石鹸にする油脂の割合のことです。

手作り石鹸は鹸化率85%~95%程度のレシピで作られます。鹸化率85%というのは、原料油脂の85%が石鹸とグリセリンに化学変化し、15%が油脂としてそのまま残り配合されている状態のことです。

100%にしない理由は2つあります。

ひとつは残った油脂にスキンケア効果があること。持ち越される油脂のことをスーパーファットと呼びます。もうひとつは確実にアルカリを残留させないための安全対策です。

原料のオイルのレシピが同じでも、鹸化率によって洗浄力や使用感、洗い上がりも変わります。鹸化率が低いほうがしっとり感があります。

スーパーファットについて

鹸化率を下げた結果に残る油脂の他に、型入れ前に15g程度オプションとして加えることもあります。スーパーファットが多すぎても油っぽい石鹸になってしまうのでオプションとして更に加えるよりは原料としてレシピに含めるほうがオススメです。

オプションとは

はちみつ石鹼のはちみつや、ミルク石鹸のミルクなど型入れ前に添加する有効成分などのことです。

見た目をきれいにするために色素の成分を入れたり、精油エッセンシャルオイル)で香りづけしたりするのもオプションです。

ボウルで混ぜてカスタードクリームのような見た目なので料理をしているような気分になって適当に健康に良さそうな食品などを入れてしまう方がいるのですがこれはアレルギーリスク的にとても危険ですので注意しましょう。

オプションも油脂と同様にアルカリで加水分解されますので、元の性質から変化します。

精油(エッセンシャルオイル)について

肌につけるものは1%以下の配合というのが鉄則です。石鹸のレシピは基本的に500g前後ですので使用量は5g程度ですが精油は非常に高価で最安値の種類でも1gあたり150円程度で原料費がいっきに跳ね上がります。

一般的に石鹸といえばいい香りがするというイメージがありますが、合成石けんや合成香料で作られたイメージです。

通販サイトなどで安価な合成香料も販売されているのでそれを使う方もいらっしゃいますが手作り石鹸に合成香料を添加するのは賛否の分かれるところです。

実際に作ってみるにはまだまだ疑問があると思います。熟成、保存可能期間など次回へ続きます。

 

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